■メキシコ五輪で「銅メダル」を獲得するも…
1968年のメキシコ・オリンピックで銅メダルを得た日本のサッカー。しかし、ひとにぎりの選手の強化で得られた結果は長続きしなかった。日本代表はオリンピックやワールドカップのアジア予選で敗退を続け、世界との差は広がるばかりだった。
高校サッカー選手権の首都圏開催、全日本少年大会(現在のJFA U-12選手権)の開催(ともに1977年)や漫画『キャプテン翼』の人気(1981年、アニメは1983年から)などにより、若い世代の間で競技人口は増えていたが、そのサッカー少年たちに決定的な夢を与えたのはマラドーナだった。1979年の「ワールドユース」日本開催がなければ、そしてそこでマラドーナがプレーしなければ、日本のサッカー史はだいぶ違ったものになっていたに違いない。