■「なかなか勝てず、チームが分裂してしまうかも」の危機
開幕直後は森山佳郎新監督のもとで7試合続けて先発を射止め、長澤とダブルボランチを形成して3勝4分けの無敗スタートをけん引した。昨夏に名古屋グランパスから完全移籍で加入した長澤から得たものを、工藤はこう語っている。
「声を出して味方を動かすプレーにすごく長けている。自分もそうしてボールを取りやすくしたいし、攻撃の部分でも動かして、そこにパスを出せるようにしたい」
昨シーズンは12勝12分け18敗の16位にあえいだ。年代別の日本代表で実績を残した森山監督のもとで変貌を遂げて、残り10試合となった今シーズンは13勝8分け7敗の5位につけてきた軌跡を長澤はこう振り返っている。
「選手が常に自分自身へ矢印を向けるように導いてくれるゴリさん(森山監督)という存在は、僕自身、選手として一緒にプレーできたのはすごく幸せでした。昨シーズンは厳しい試合でなかなか勝てず、チームが分裂してしまうかもしれない、といった状況もあったなかで、今シーズンは全員でそういう形を作れてきた」
長澤が言及した「そういう形」とは、昨シーズンの「1」から「4」に増えている逆転勝ちに象徴されるように、気持ちを含めた細かい部分で勝ち点を積み重ねてきた点にある。だからこそ、連勝を3で止められた次が大事になってくる。