■2試合連続のクリーンシートで3連勝を達成

 先手を取った仙台は、ボール支配率こそ鹿児島に譲るものの、シュートには持ち込ませない。危なげなく試合を運んでいたが、55分にアクシデントに見舞われる。GK松澤が足をつってしまい、プレーを続行できなくなってしまう。加入2年目の23歳のGK梅田陸空が、急きょピッチに立つ。梅田はこれが公式戦デビューである。

 後半は攻撃の形が作れていなかったこともあり、森山佳郎監督は梅田とともにFW中島元彦を投入する。15試合ぶりのベンチスタートとなった中島が左MFに入り、相良が右MFへスライドする。

 それでも、攻撃が活性化しない。森山監督は77分にも2枚替えを行ない、FW梅木翼とMF工藤蒼生を起用する。ともにフィジカルに優れるエロンと梅木を前線に並べ、攻撃の圧力を強めようとするが、相手ゴールへ迫るシーンは作れないのだ。

 89分だった。自陣でのボールロストからショートカウンターを浴び、ペナルティエリア内で相手FWと松下が交錯する。PKとはならずに事なきを得たが、自陣でボールを失う場面は前半から散見された。今後への課題を残しつつ、仙台は1対0で押し切った。

 仙台は2試合連続のクリーンシートで、今シーズン2度目の3連勝を達成した。勝点を「47」に伸ばし、レノファ山口FCを抜いて4位に浮上している。4試合勝利のない3位のV・ファーレン長崎に、勝点5差まで迫ってきた。

 次節は8位のジェフユナイテッド千葉とのアウェイゲームだ。千葉は23節から5試合勝利がなく、J1昇格プレーオフ圏から離されつつある。彼らも必死だ。厳しい試合になるのは間違いない。

 過去数シーズンの仙台は、夏場に勝点獲得のペースを落としてきた。しかし、今シーズンは違う。連勝をさらに伸ばして、長崎の背中をはっきりととらえることができるか。千葉戦は真価を発揮する戦いとなる。

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