【鹿島、優勝のビックピースへ。新加入FW田川亨介の色と共鳴 (1)】とにかく裏にどんどん抜けるというこだわり……仲間隼斗が説明するさらなる“生かし方”の画像
鹿島アントラーズの仲間隼斗 撮影:中地拓也

「間違いなく、裏抜けっていうところでスピードを発揮するのが彼の特長だと思うし、うちのチームには無かった色なので、そこを今日みんなも分かって出していた」

 ボランチの三竿健斗は浦和戦で鹿島デビューした新加入の田川亨介に関して、そう振り返った。ランコ・ポポヴィッチ監督が右サイドの師岡柊生に代わり、田川を投入したのは後半25分。「裏にどんどん抜けて自分の特長を生かせということは言われて入りました」という田川はファーストプレーで、いきなりその特長を発揮した。

 左センターバックの関川郁万がボールを持って前を向いた状況で、右外から驚異的なスプリントで斜めに走って、浦和のディフェンスを引き付ける。それにより右サイドにオープンスペースができると、関川のサイドチェンジが右外を走る濃野公人に通ったのだ。

 ペナルティエリアの右外までボールを運んだ濃野はインから上がってきた三竿に斜めのバックパスを出す。浦和もFW松尾佑介が素早くチェックに来たことで、三竿が十分な形でミドルシュートを打ち切ることはできなかったが、田川を生かしたチームの狙いがいきなり出たシーンだった。

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