■チーム作りとキャッチアップの両立

 その数字とは、強化過程における出場時間だ。大岩ジャパンの発足直後のドバイカップからフランス代表戦(24年7月)までの試合で公になっているものにおいて、DF登録で最も出場時間が長かったのは木村誠二の1751分(21試合/先発19、途中出場2)。2位は鈴木海音の1247分(16試合/先発14、途中出場2)で、3位は内野貴史で1233分(22試合/先発12、途中出場10)だ。

 さらに、半田陸の1161分(17試合/先発13、途中出場4)、西尾隆矢の1098分(16試合/先発12、途中出場4)、馬場晴也の1077分(14試合/先発12、途中出場2)、加藤聖の1062分(16試合/先発12、途中出場4)と続き、以上の7人が1000分超えとなっていた。それに最接近したのは大畑歩夢で913分(12試合/先発10、途中出場2)だった。

 半田陸は初戦直前での離脱となったため本大会の欠場は誤算ではあったものの、関根大輝、木村誠二、高井幸大、大畑歩夢というパリ五輪での主軸のうち、この7人に含まれているのは木村誠二だけ。関根大輝は857分、高井幸大は840分の出場時間で、パリ五輪開催に近づくにつれて存在感を増していった選手だ。

 なお、上位7人のうち本大会に出場したのは木村誠二、鈴木海音、内野貴史、西尾隆矢の4人。強化過程でチームの基盤作りを進めつつ、成長著しい選手を大岩監督が直前まで情報収集しながらキャッチアップしたことが分かる。

(つづく)

(4)へ続く
PHOTO GALLERY ■【画像】パリ五輪準々決勝スペイン戦での木村誠二、関根大輝、高井幸大、大畑歩夢のプレー写真■
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