■街の灯りの「違い」
旅客機は、離陸直後や着陸前は低空を飛行します。
次第に高度を落としていくと、家や道路の様子。あるいは農地の様子が見えてきます。
北朝鮮を訪問したときは北京発平壌行きの中国民航機に搭乗しました。中国東北(旧満州)上空を飛行し、国境の鴨緑江(朝鮮語でアムノクガン)を越えて朝鮮領に入ります。ソ連製アントノフ24型機の窓から見ていると、中国領内は乾燥した荒地が多かったのですが、鴨緑江を越えるとほとんどの土地が農地化されて田んぼになっていました。
北朝鮮の経済は疲弊し、飢餓が発生することも珍しくありません。しかし、それなりにしっかりと農地利用されているのが分かりました。
さらに飛行機は高度を落としていきます。すると、地表の様子はさらにはっきりと見えてきます。
まず気づくのは街の灯りです。
貧しい国では家々の照明は暗く、街路灯もまばら。つまり、街全体が暗いのです。また、今でも白熱電灯を使っていることが多いので、照明がオレンジ色っぽくなります。
街全体が煌々と照らし出されているのはアラビア湾岸産油国です。ドバイ(UAE)とか、ドーハ(カタール)の空港に着陸するときは街全体が明るく輝いている様子を見ることができます。