後藤健生の「蹴球放浪記」第225回「飛行機の中でもスタジアムを探してしまうサッカー好きの性」の巻(1)シベリアの大地を思い、アラル海を憂う蹴球放浪家の「鉄オタ超え」サッカー愛の画像
1996年EURO決勝は旧ウェンブリーで行われた。提供/後藤健生

 蹴球放浪家・後藤健生は、どこでもサッカーを楽しむ。世界中で、そして空の上でも、サッカーのことを忘れない。ここでは、空の上からのサッカーの味わい方をお伝えする。

■「地球」を眺める

 飛行機で旅行するとき、機内のビデオやオーディオを楽しむ人や、眠りに落ちる人が多いようです。しかし、それはあまりにもったいない。僕は、窓際の席で空からの景色を眺めていることがほとんどです。

 旅客機の巡航高度は約1万メートル。この高度からだと、「地表を眺める」というより「地球を眺める」に近い感覚になります。世界地図を頭に描きながら、どの辺を飛んでいるのかが想像できます。

 天然ガス鉱を燃やす炎を見て、シベリアの大地の豊富な資源に思いを馳せ(再び、ロシア上空を飛行できる日は来るのでしょうか?)、北アフリカ上空ではサハラ砂漠の広大さを実感し、中部アフリカでは広大な熱帯雨林を眺めました。

 トルコに向かう機内からは、中央アジアのアラル海が見えました。カスピ海とともに巨大な内陸海だったアラル海ですが、1940年代から当時のソ連政府が綿花栽培のためにアラル海に注ぐアムダリア川の取水を始め、その結果、アラル海の水位は下がり、広大な地域が砂漠化して塩害も顕著なようです。

 1万メートル上空から見ると、たしかにアラル海の大部分が干上がっている状況がよく分かりました。

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