大岩剛監督が率いたパリ五輪の男子サッカーは難敵揃いのグループリーグを3戦全勝で準々決勝に進んだが、優勝候補のスペインに0−3で敗れて終わりを告げた。
FW細谷真大の同点ゴールかと思われたシーンが、VARのオフサイド判定で無効になり、DF高井幸大のシュートがポストとクロスバーに嫌われるなど、運にも見放されたところはあったが、結果的に日本は得点できず、スペインには3つのゴールを記録された事実は受け止めて、前を向く必要がある。
そうは言っても、内容面でここまでスペインと互角に近い勝負ができた事例は過去になく、そうした手応えは8月4日に帰国した大岩剛監督の言葉からも伝わってくる。メダルという目標にこそ届かなかったが、オーバーエイジや久保建英、鈴木彩艶、鈴木唯人、松木玖生といった同世代のトップ選手が不参加となったチームでも相手に合わせるのではなく、いかに自分たちの強みを押し出して戦うかというテーマに向き合いながら、勝利を目指すかというテーマを基準に見れば、高評価に値する挑戦だったことも確かだ。