■時間の経過とともに機能性を高めて

 それでも、30分にMF荒木遼太郎が局面で競り勝ち、FW佐藤恵允の仕掛けで左CKを獲得します。33分にはこのチームらしい崩しが見られました。アンカーの山本理仁からパスを受けたCB木村誠二がワンタッチでハーフスペースの左SBの内野貴史へつなぎ、左サイドの荒木へボールがわたります。荒木がボールを運んでいる間に内野が外側からサポートし、内野からパスを受けた佐藤がニアゾーンへ侵入してマイナスのクロスを入れる。これをMF川崎颯太が左足で合わせました。

 35分には3トップのCFで先発した藤尾翔太が、左のニアゾーンへ流れてクロスを入れました。このチームのプレーモデルが見えた場面でした。

 守備では4-4-2で構えながら前から規制をかけて奪う、蹴らせる、ということができていました。個人で奪い取る場面もありました。

 ここまでプレータイムの短かった選手、大会初出場の選手が時間の経過とともに試合に馴染み、周りの選手と連動していったことで、試合の流れを呼び込んで前半を終えることができたのでした。

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(6)へ続く
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