■「決勝ゴールにつながった」守護神の好守

 オリンピック本番での試合では、日本のポゼッションの時間が長く、ラインを上げることもできていたため、前半はそれほどマリのスピードに苦しまなかったのだが、後半に入るとマリはさらに狙いをはっきりさせ、前線の選手を走らせてきた。

 時間の経過とともに、日本は劣勢に追い込まれてゆく。だが、GKの小久保玲央ブライアンの好守に助けられた場面が何度かあり、相手のシュートがゴールポストに当たる幸運も味方して、日本は失点することなく終盤を迎えた。

 そして、この苦しい時間帯を耐えたことが、82分の決勝ゴールにつながった。

 オリンピックでの2試合で1トップとして起用され続けた細谷にはまだゴールがない。

 しかし、細谷はパラグアイの屈強なDFと競り合いながらも、しっかりとボールを収めて攻撃の起点となっていたし、マリ戦でも何度かうまい抜け出しを見せていた。

 そして、マリ戦の82分。まさに、その細谷の抜け出しから決勝ゴールが生まれた。

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