日本にとって「最後の交代」で2人を投入
後半、ブラジルは3人の選手を一挙に交代、再びパワーを全開にし、マルタの見事なスルーパスから交代出場したFW2人で先制点をもぎとった。
1点を取ると、プラジルはあからさまな時間かせぎをして試合を「殺し」にかかった。なでしこジャパンは左サイドの守屋都弥(みやび)の活躍でチャンスをつくるが、田中美南のシュートが決まらず、次第に行き詰まり感がチームを覆うようになった。
「力道山のようにはいかないな」と思い始めたとき、投入されたのが千葉玲海菜と谷川萌々子だった。
左サイドバックの北川ひかるが大会前の負傷から回復しておらず、右サイドバックの清水梨紗を初戦の負傷で失った日本。
この試合では、3-4-3システムで臨み、ウイングバックには右に古賀塔子、左に守屋を配置した。後半25分の交代で清家貴子を右ウイングバックにしていたが、後半35分、日本にとって最後の交代で千葉と谷川を投入したとき、池田太監督は左サイドバックに本来FWの千葉を入れ、ボランチだった長谷川唯をトップ下に、そしてボランチには長野風花と谷川を並べる4-2-3-1の攻撃的なシステムに変えたのだ。
そして、この大会初出場の谷川が躍動し始める。