■勝利のために必要なこと
実際、東京五輪でも準決勝は延長戦までもつれ込み、マルコ・アセンシオ(PSG)の一発を食らってメダルを逃している。一瞬でも気を抜いたらやられるということをまずは肝に銘じておいた方がいい。
今回の日本にとって条件的にも厳しい。中2日でナントからリヨンへの移動を強いられるからだ。猛暑のナントよりリヨンはやや気温が低いと見られるが、キックオフ時間が17時。これまで19時・21時の試合を戦ってきた彼らにとってはより過酷な環境下になるのは確かだ。
さらに言うと、負傷中の平河悠(ブリストル)と川崎颯太(京都)の出場が微妙なことも不安要素。特に平河の局面打開力は攻撃の大きなポイントとなるだけに、彼が使えなければ戦い方のバリエーションは減る。斉藤光毅(ロンメル)や三戸舜介(スパルタ・ロッテルダム)、佐藤恵允(ブレーメン)といったドリブラーはいるものの、平河は単なる突破だけでなく、フィニッシュのパンチ力も兼ね備えている。そのストロングを使えないのはキツいが、ピッチに立てる戦力で乗り切るしかない。
スペインに勝とうと思うなら、2022年カタールワールドカップで日本代表が見せたようなアグレッシブな戦いが必須。時間帯によっては一歩的にボールを持たれ、攻め込まれるかもしれないが、まずは失点を防いで相手を焦らすことが肝要だ。
今回の日本には小久保がいるため、かなりの高い確率で決定機を阻止できる。そのアドバンテージを生かしつつ、鋭いカウンターやリスタートを繰り出していくべきだ。