「分厚くて太いタイプよりも…」

小久保 試合中も同じで、何か疑問を感じたら、すぐにコーチや監督などに聞いてください。それに、監督には積極的に意見を言ったほうがいいですし、ハーフタイムに選手間でもビシバシと言えるようになったほうが、ゲームの流れが分かるようになるし、自分がダメだったところにも気づきやすくなる。 周りから言われるんじゃなくて、周りに言える選手になることが大切です。

――ゴールキーパーは、サッカー選手の中でサッカー道具、用品が一番多いですが、選ぶときのコツはあるのでしょうか? アドバイスをください。

小久保 もし、ご両親がお子さんにグローブを買ってあげるなら、個人的には、分厚くて太いタイプよりも、指が細めのタイプがオススメです。指が動かしやすくて、キャッチングのときにボールがビシっと収まる感じがあるので。ただ、個人差はあるので、メーカーを問わず、いろんなものを試着してみるのがいいと思います。
 スパイクは、キーパー目線で考えると、軽さ、薄さを追求したスパイクはロングボールを蹴るときにボールが当たって痛かったり、靴ズレを起こすこともあるので、ある程度の重さと厚さはあってもいいのかなと思っています。

――では、小久保選手を目指すサッカー少年少女たちへメッセージをお願いします。

小久保 サッカーは夢を与えられる、希望を与えられるスポーツだと思っています。サッカー選手という職業も、お金を稼ぐ以上に、人に希望を与えられることが最大の魅力だと思っているので、だからこそ、やりがいがある。
 自分は通らなかった道ですけど、高校サッカーもすごい影響力があるし、彼らに憧れているジュニア選手も絶対にいます。以前、高校サッカーの決勝戦を見に行ったんですが、すごく刺激になりました。  だから、プロアマ問わず、みんなが良いプレーをしてサッカーを盛り上げていけたらなと思っています。

――続いて、小久保選手の数多い女性ファンのために、人間・小久保玲央ブライアンについての質問をさせてください。

小久保玲央ブライアン(こくぼ・れお・ぶらいあん) 2001年1月23日生まれ、千葉県出身。193センチ、91キロ。ナイジェリア人の父と日本人の母との間に生まれ、小学生時代は柏エフォートFCでプレー。柏レイソルU-15、U18で才能を伸ばし、18年、柏レイソルトップチームへ。同年1月開催の「アルカス国際カップ」で大会最優秀GKに選出されたことで世界的に注目され、翌19年1月、ポルトガル1部の強豪SLベンフィカのU-23チームに加入することに。20年8月には、UEFAユースリーグ決勝でレアル・マドリードと対戦。2-3で敗れるも、大会準優勝に貢献した。同年10月、2部SLベンフィカBで初ベンチ入り。22年1月、Bでデビューを果たし、5月にトップチームで初ベンチ入り。日本代表としては、U-15代表候補に選ばれたのを皮切りに、各年代で選出。今年4月のAFC U23アジアカップでは、数々のビッグセーブでパリ五輪出場権、アジア制覇に貢献。7月11日、ベルギー1部のシント=トロイデンVVへの完全移籍を発表した。

 

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