「その感覚が体に染みついていれば…」

斉藤 そうですかね(笑)。

――それは、どのようにして鍛えたのでしょうか?

斉藤 それも蹴り続けるしかないと思います。本当に感覚をつけるしかないんです。
 世界大会とかヨーロッパでプレーするときやプロになったときに、今まで感じたことがないプレッシャーを受けて、自分の本来のプレーができなくなったりするんですね。そんなときに、その感覚が体に染みついていれば、ふだん通りのプレーが可能になるんです。だから、感覚をつけるしかないなと思っています。

――マンガ的な発想で恐縮なのですが、大舞台で追い詰められたときに、もう一段階、進化する、覚醒するといった現象は、本当にあるんでしょうか? それとも、身につけた感覚の中から「ベスト」を引き出す、セレクトするといった感じでしょうか?

斉藤 極限状態の中での戦いが続いて、そうした中で何をするべきか考え続けることは、自分の経験値にもなると思うので、それも大事だと思います。

――トレーニングはもちろん大事ですが、ボールで感覚を身につけることが、サッカー選手にとって最も必要ということでしょうか?

斉藤 ドリブルに関してはそうだと思います。

――続いて、サッカー少年たちのお父さんお母さんに、アドバイスをお願いします。

斉藤光毅(さいとう・こうき) プロフィール 2001年8月10日生まれ、神奈川県出身。170センチ、61キロ。犬蔵SCから横浜FCジュニアユースを経て、横浜FCユースへ。下部組織から横浜FCで育ち、18年9月にプロ契約。J2デビューを果たすと、通算31試合で6得点。20年にチームが13年ぶりにJ1昇格を果たすと、J1通算32試合で3得点。19年には、U-20ワールドカップに出場。20年シーズン終了後に、ベルギー2部のロンメルSKへ完全移籍(29試合5得点)。22年6月に、オランダ1部のスパルタ・ロッテルダムにレンタル移籍(32試合7得点)。昨シーズンは、ハムストリングの手術で4か月、戦線を離脱するも、公式戦22試合で3得点5アシストをマーク。オランダメディアが選ぶ年間ベストイレブンに選出された。最大の武器は、ドリブルによる仕掛け。

 

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