■国際Aマッチでも国内上位2リーグでも…

 2023/24までのルールには、「キャプテン」についての言及はあるものの、その内容は実にあいまい模糊としたものだった。

「チームキャプテン:チームのキャプテンは、なんら特別な地位や特権を与えられているものではないが、そのチームの行動についてある程度の責任を有している」(第3条第10項)

 今年初めて認められた「キャプテンオンリー」の試行が好結果を生むなら、来年のルール改正で採用される可能性は大きいのではないかと、私は考えている。EUROでの「試行」が、大きな後押しになるのではないだろうか。

 ところが、ひとつ問題がある。

 3月22日の「回状」には、「この試行は、国内上位2つのリーグ、または各国の『A』代表のチームが関わらない競技会でのみ実施できる」と書かれている。JFAによるこの部分の日本語訳は直したほうがいい。このままだと「国内上位2つのリーグ」は実施できると読めてしまうからだ。英語の原文を読むと、国際Aマッチでも、国内上位2リーグでも実施できないと、明確に書かれている。いずれにしろ、このままなら、当然、各国代表チームが出場するEUROでは実施できないはずなのだ。

 しかし、欧州サッカー連盟(UEFA)は、5月にこの方式をEURO2024ドイツ大会で使用することを決めて発表、ごらんのとおり、堂々と使ってしまったのである。それだけでなく、好感触を得たことで、7月5日には、これから始まる新シーズンのUEFA主催の全大会で使用することを発表した。

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