■満田誠「最後のところであとちょっと足りない」

 これで勝ち点34のまま。6・7日のゲーム次第ではさらに順位が下がる可能性もあり、タイトルへの道は険しくなったと言える。

「ここ2年間、今の監督が来て、優勝争いはしてるけど、最後のところであとちょっと足りないっていうのが続いている。それはやっぱりこういった試合を勝ててないのが一番大きいと思う」と満田が言えば、新井も「勝負を分けたのは神戸が決めた2点目。あそこに全てが詰まっている。ああいう時間帯で決めるところもそうですし、セットプレーから決め切る部分は、より夏場の勝負を分けてしまう。自分たちも決め切る力があるとは思うんで、そこを確実に仕留めていかないといけない」と自戒を込めて語っていた。

 今季の10引き分けが象徴している通り、広島は”際(キワ)の部分”で勝ち点を落としている印象だ。そこがしたたかな町田や神戸との大きな差なのだろう。タレント力も指揮官の采配力も劣ってはいないが、勝負の明暗を分ける局面や細部に甘さがあるのかもしれない。そこを改善していかなければ、再浮上はあり得ない。

「まだまだ後半戦始まったばかり。こういったゲームはこれからも出てくると思いますし、自分たちが勝ち続けていればおのずとチャンスはあると思う。勝たなきゃいけない試合を落とさずにしっかり勝ち点3を取ることが大事なってくるのかなと思います」

 満田の発言をチーム全体が噛みしめ、泥臭くしぶとく勝ち切る集団に変貌を遂げるべき。その術を模索していくしかない。

(取材・文/元川悦子)

(後編へ続く)

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