後藤健生の「蹴球放浪記」第219回「大阪万博で黒豹と遭遇」の巻(2)「神戸の芝生は美しかった」ワールドカップ得点王との16年後の再会の画像
神戸で行われた日本代表対ベンフィカ戦の入場券。提供/後藤健生

 来年、開催される大阪・関西万博を前に、蹴球放浪家・後藤健生は、ある思い出がよみがえった。万博の会場に、黒豹の呼び名で親しまれたポルトガルの英雄エウゼビオが降り立ったことがあるのだ。そうしたサプライズがあれば、来年の万博も盛り上がること間違いなしだが…。

■日本で唯一の「本格的サッカー場」

 神戸の中央球技場は1970年に神戸の御崎公園に完成したばかりの日本初の本格的な球技専用競技場でした。バックスタンドやゴール裏は立ち見席でしたが、ピッチの四隅に照明塔が立っているあたりも、どこか本場ヨーロッパのサッカー場に似ていました。

 東京には、まだ西が丘サッカー場も完成していませんでしたから、日本で唯一の本格的なサッカー場。それも見てみたかったのです(同球技場は、その後2002年の日韓ワールドカップを前に全面改築されて御崎公園球技場=ノエビアスタジアムとなりました)。

 そこで、僕はまず大阪で万博を見てから、神戸でベンフィカ戦を見るという計画を立てました。

 万博会場では、当然、お目当ての「月の石」を見に行きました。アメリカ館の前には長蛇の列。たぶん、1時間半くらい行列に並んだと思います。

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