【磐田が土壇場の同点劇で、川崎を相手に獲得した勝点1の重みとエース復活の意味(1)】同点劇は”ラッキー”ではあったが……後半41分に主将投入で押し上げたラインの画像
同点ゴールを決めて喜ぶジュビロ磐田の山田大記 撮影:中地拓也

「後半に失点して、逆転されたが、誰一人あきらめずに、最低でも勝点1を取りにいくという姿勢を出してくれた結果があのようなゴールにつながった。この勝点1を次のゲームにつなげなければいけないと強く感じている」

 途中出場のMF山田大記による後半アディショナルタイムの同点ゴールで川崎フロンターレと2−2と引き分けたことについて、横内昭展監督はそう振り返った。磐田はジャーメイン良の10試合ぶりとなる、シーズン12点目のゴールで前半からリードを奪ったが、後半6分に交代出場の橘田健人を起点とした中央突破から同点ゴールを叩き込まれると、GK川島永嗣が左足を負傷した様子で、これまで未出場の大卒ルーキー杉本光希が突然ピッチに送り出された。

 その杉本に関しては横内監督も「本当にすんなりと試合に入ってくれた。ビルドアップも勇気を持ってやろうとしてくれた。練習でやっていることをピッチで出してくれた」と振り返るように、目立ったミスもなく試合を作ったが、山田新、山内日向汰、さらに家長昭博を入れて勢いを増す川崎に、ショートコーナーの二次攻撃から橘田に逆転のミドルシュートを叩き込まれた。

 磐田にとってはかなり苦しい流れだったが、横内監督は後半 41分にキャプテンの山田大記を投入。全体のラインを押し上げると、FWマテウス・ペイショットの後にジャーメインと山田、さらにサイドの古川陽介とブルーノ・ジョゼが高い位置で、5アタッカーによるスクランブルアタックで前からの守備ではめて、厚みのある攻撃を繰り出した。この数分間で、右サイドを破られかけるシーンもあったが、矢印を弱めることなく川崎ゴールに向かっていった。

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