■前日の練習後

 この前日、高井幸大は麻生グラウンドで暑さの中で汗を流した。クラブハウスに引き上げる高井に、パリ五輪のメンバー発表を翌日に控えた中での心境を聞いた。その答えは、「特にないです」というもの。緊張はなく、いつもと変わらないという。

 同じくユース出身で年齢も近い由井航太に、高井の様子を聞いてもあまり変わったところはないというから、高井の言葉に混じりっ気はない。その質問を由井に聞いたのは、4年後、高井同様にメンバー発表を“当事者”として迎えるから。ここから4年という大きな歳月の中で、この節目の日をどういう風に捉えているか、そして、身近にそうした選手がいることでどんなことを感じているのかを知りたかったからだ。

 ちなみに由井は、目標から逆算して積み重ねていくタイプではない。積み重ねた先にそうした“栄えある場”や成果があってほしいという。現在、最も悔しさを抱えているのは試合に出られていないこと。まずはそこを乗り越え、次の積み重ねへと進むという。

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