後藤健生の「蹴球放浪記」第218回【サッカー「古今東西ナイトゲーム」の楽しみ方】の巻(1)夏のJリーグ、ドイツEUROでは「難しい」キックオフ直前のサプライスと「経験できない」白夜の画像
「白夜」の太陽を観察したEURO92の、とてもシンプルなADカード。提供/後藤健生

 夏が近づくにつれ、Jリーグでもナイトゲームが増えてきた。蹴球放浪家・後藤健生は古今東西、さまざまな場所で夜の試合を楽しんできた。場所が変われば、ナイトゲームの様子も、それぞれ違うのだ。

■LED化で実現「キックオフ直前」の演出

 最近、Jリーグなどの試合を見にいくと、キックオフ直前にスタジアムの照明を落とす演出が流行っているようです。照明を消す前には必ず「照明が暗くなるので足元に気をつけるように」というアナウンスもあります。

 こうした演出は、スタジアムの照明がLED化したことで可能になりました。

 昔は(といっても10年ほど前までは)、スタジアムでは水銀灯などのHID照明が使われていました。演色性が良く(自然光に近い色で見える)、長寿命(長持ちする)など、電球に比べて利点は大きかったのですが、電源を入れてから15分くらいしないと最大の明るさにならないのです。しかも、消灯してしまうと照明を一度、冷ましてからでないと再点灯できないんだそうです。

 ですから、演出のために消灯するなどということは不可能です。そもそも、消灯しても一瞬で暗くなりません。

 それに対して、LEDは瞬間点灯、瞬間消灯ができるので、あのような演出が可能になったのです。

 暑い夏のナイトゲーム。こうした演出は楽しみでもあります。

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