■選手層拡大は急務の課題

 そこで期待したいのが、柴崎岳樋口雄太といったボランチをこなせるベンチメンバーのさらなる存在感アップだろう。特にキャプテン・10番・選手会長を務める柴崎はもっと稼働率を引き上げていかなければいけない。開幕前の宮崎キャンプで負傷し、5月下旬に復帰してから1カ月が経過するが、リーグ戦は4試合に途中出場しただけだ。

 6月22日の浦和レッズ戦でも、武田英寿に1点を返され、2-1にされた直後の後半36分から登場。トップ下に入ってゲームを落ち着かせる役割を託されたが、浦和の怒涛の攻めを食らう形になり、十分な仕事を果たせたとは言い切れないものがあった。柴崎の実績と経験値を考えれば、今のパフォーマンスは物足りない。同い年の宇佐美貴史(G大阪)や宮市亮(横浜)が完全復活した今、彼はもっともっとやらなければならないはずだ。

 それは終盤に入ってきた樋口や藤井智也にしても同様。彼らが先発組にそん色ないパフォーマンスを出せる状態にならなければ、この先も固定メンバーでの戦いが続くことになる。夏場の酷暑の時期になれば、消耗も激しくなり、終盤足が止まるといった事態に見舞われないとも限らない。それを回避するためにも、選手層拡大は急務の課題なのだ。

「途中から入る選手のクオリティを考えても、自分たちはどのチームにも劣ってはいないと思っている。自分たちは後半逆転して勝ってきた試合もあるし、追いついた試合もある。パワーは必ずあると思うんで、そういった選手たちにどううまく試合に入らせるかが自分の仕事」と柴崎に代わってキャプテンマークを巻き続けてきた植田直通は語気を強めていたが、ポポヴィッチ監督がもっともっと交代に踏み切れるような戦力を増やしていくことが必要なのである。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4