■「僕たちはまだ完璧なチームじゃない」

 だからこそ、守り切れるゲームを増やさなければいけない。総失点22と町田より6多い現状が2位止まりの一因であるのは紛れもない事実。鹿島が守り切れないというのは、常勝軍団の伝統を考えても許されることではない。そのあたりの要因を鈴木優磨はこう語っていた。

「浦和も後半からフォーメーションを変えてきて、僕らがうまく対応できなかった。前半のブロックを引いていた位置より2~3m後ろになって重たくなったのはありますし、僕らはセンターバック(CB)が強いんで『ペナ内の前で守ればいいや』という考えになりがち。そうなるとなかなかプレスも打てなくなる。

 ブロックを引く時間帯も大事だし、鹿島の伝統でありつつも、もっと前から行ってラインを引くことをセットにしてやらないといけない。僕たちはまだ完璧なチームじゃないんで、出た課題を1つ1つ、つぶしていく作業が必要かなと思います」

 その指摘は的を得ている。後半戦浮上のカギは失点数減少に他ならない。守備の要・植田直通中心に改善への大きな一歩を踏み出すことが重要だろう。

(取材・文/元川悦子)

(後編へ続く)

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