■最終ライン全員がスプリントで2桁以上

 不思議な数字もある。午後2時のキックオフ時の気温が27.5度と、汗ばむような暑さで行われた一戦。川崎のスプリント回数は、大南が12回、高井が13回、ジェジエウが11回、そして佐々木が13回と最終ライン全員が2桁をマークした。一方で他のポジションでは、途中出場のFWマルシーニョの10回が最高だった。

「自陣へ戻る回数の方が多かった、という印象があります。そうなると同じスプリント1本でも疲労感が全然違ってくる。もっと自分たちがボールを握って、自分たちが攻めているゴールに向かって走る回数を増やしていかなきゃいけない」

 走れば勝てる、というわけではない。ただ、勝ったチームは例外なくよく走る。67分の出場時間で、両チームを通じて最多となる17回を数えた神戸のMF佐々木大樹は「少ないな。前半でそれくらい走らないと」と自分へ矢印を向けている。

 ロングボールなどで相手に走らされた末に、体力を消耗する悪循環を回避するにはどうすればいいのか。佐々木は後半の戦い方をヒントにあげる。

「僕たちはボールをもちたいチームではありますし、難しいところはありますけど、それでも相手のボールを奪わないことにはボールももてない。その意味でもどこでボールを奪うのかといった点や、あるいは球際の強さとういったところに、もっとこだわっていかなきゃいけないと思っています」

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