■最長4期つとめた後の「将来像」と「変わらぬ軸」
――職員も意欲が増しているのではないかと思います。
「今のやり方がベストというのではなく、もっとこうしたほうがいいということには柔軟に進んでいける組織でありたい。サッカーも、試合前に4-4-2で行こうとスタートしても、試合が始まったら、“これは3トップ気味でプレッシングしたほうがいいよね”と、選手自身が微調整するときもある。風向きが変わったら、違うサッカーにしなければならない。プレーヤー自身も考えて行動する。そこには一定の責任も伴う。そのほうがやりがいも感じるし、自分の仕事、パフォーマンスに対する自己反省にもつながる」
――現在47歳。JFAの会長職は、規則で最長4期、8年までと決められています。8年後はまだ55歳です。その後の「将来像」というのは頭にあるのでしょうか。
「大前提として、僕がそれだけ長期間できるのかわかりません。そして、今の質問に対する答えは、“終わってみなければわからない”ということです」
――FIFAマスター(FIFAが運営するスポーツ学に関する大学院の修士課程)の修了者として、世界中に知り合い、仲間が多いと思います。
「たしかに知り合いはたくさんいますが、前会長の田嶋さんも世界中に仲間を持ち、日本のサッカーが孤立しないように多大な努力をされてきました。今まであったそのつながりを大事にし、そこに自分のつながりを生かして活動していきたいと思っています」
――会長職を離れたら?
「どんな立場になっても、“日本でサッカーを大きな存在にしたい”という、その軸は変わらないと思います」
――ライフワークというわけですね。
「そうですね。ライフワークです」