【浦和×神戸戦】勝ち切れない浦和レッズ「上位進出への次なる課題」(2)ヘグモ監督が理想とする攻撃の形が出た「中島翔哉の同点弾」とサイドからのボール「改善点」の画像
61分、中島翔哉が左サイドに入ったことにともない、右サイドに移っていたオラ・ソルバッケンから中島へ優しいパス。ミドルレンジから放たれたコントロールショットがゴール右隅に吸い込まれた。中島の今季リーグ戦における初ゴールが生まれ、同点に。(20240601)撮影/原壮史(Sony α1使用)

 明治安田J1リーグ第17節、浦和レッズ(以後、浦和)対ヴィッセル神戸(以後、神戸)戦が埼玉スタジアム2002で行われた。
 試合は、1-1の引き分けに終わり、両チームともに勝ち点1を分け合った。
 浦和のフォーメーションは「4-3-3」の中盤が逆三角形で、前節の町田戦と同じメンバーで臨んだ。
 一方の神戸も「4-3-3」の同じフォーメーションで組んできて、前節の東京ヴェルディ戦から3人が変更に。佐々木大樹、井出遥也、初瀬亮がスタメンで使われた。
 前半で解説した神戸の先制ゴールに続いて、後半でも得点に絡むシーンを中心に、試合を分析していこう。

61分の浦和の同点弾「なぜフリーになれたのか」

 61分に浦和が同点ゴールを決める。中島翔哉のミドルシュートが決まるのだが、なぜ中島はフリーになれていたのかがポイントになる。
 浦和の攻撃面でのいい点が、ここには集約されている。神戸の守備は意思統一がされている。浦和の選手が走り出した瞬間、同時に全員が浦和の選手についていきながら自陣に戻っている。
 実は、意思統一された守備が、ここでは皮肉にもアダになっている。
 オラ・ソルバッケンがサイドでボールを持ってピッチの中にドリブルで切り込んでくる。ソルバッケンにパスを出した石原広教は、ものすごい推進力で駆け上がり、神戸の選手をタッチライン沿いに連れていく。
 さらに、石原にパスを出した伊藤敦樹が神戸の選手を連れて全力でピッチ中央に駆け上がる。またチアゴ・サンタナは神戸の2人の選手を引き連れてペナルティエリアの奥に侵入する。これだけの神戸の選手を、浦和のそれぞれの選手が引き連れているので、ソルバッケンがカットインしてピッチの中に入ってこられたのだ。
 そして、フリーで中島がバイタリエリア(DFラインとMFラインの間)に入っていけて、シュートを打つことができたのである。

  1. 1
  2. 2
  3. 3