南野拓実も太鼓判を押すポテンシャル

 そういう意味で、久保と同い年の鈴木唯人(ブレンビー)の参戦は非常に大きなポイントだ。彼は清水エスパルスに在籍していた2022年1月の国内組代表合宿に参加したものの、そこから一度もA代表に呼ばれることはなかった。2023年1月にはフランス1部・ストラスブールにレンタルで赴いたが、3試合出場とチャンスらしいチャンスをつかめないまま帰国。「次こそは自分の地位を欧州で確立する」という強い意思を持って、北欧・デンマークの名門に完全移籍する決意を固めたのだ。

 大柄な選手がズラリと並ぶリーグで当初は戸惑いも覚えただろうが、徐々に出番を増やし、最終的には今季公式戦11ゴール7アシストという目覚ましい成果を残し、堂々と森保ジャパンに返り咲いたのである。

 現クラブでは3バックシステムの2シャドウを主戦場にしているが、セカンドトップの位置でリズムを変化させたり、高度な技術と創造性で敵をかく乱したり、ゴール前へ飛び込んでいってフィニッシュワークに持ち込むといったスタイルはドルトムント時代の香川真司(C大阪)を彷彿させるものがある。

「香川に似ている」という評価を本人も前向きに受け止めている様子で、21歳で日本代表エースの座を射止めた先輩に追いつけ追い越せで持てる力を発揮してほしいところ。それが久保の言う「新しい風」になるはずだ。

「若くして才能ある選手というのは沢山いますけど、唯人もその1人。今季は自分のチームで素晴らしい結果を残しているし、今日の練習でも一番シュートを決めていたのが唯人かなと。そのくらいの調子のよさをアピールしているので、チーム一丸となってやっていければいいかなと思います。

 やはり20歳前後にA代表初招集を受けたことのある先輩・南野拓実(モナコ)も一目置いていたが、それだけのポテンシャルが鈴木唯人にはある。今回は前日会見で森保一監督が「起用するとしたら途中からになる」と明言した通り、ミャンマー戦で代表デビューを飾ることが確実になったと言っていい。

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