■MF乾貴士が6試合にぶりに出場するが…
追いかける清水は、前半途中からシステムを変更していた。4-4-2で左MFだった矢島慎也を右サイドへスライドさせ、3-4-2-1に変えていた。ハーフタイムを挟んで前への推進力が高まり、ペナルティエリア内まで持ち込む回数が増えていく。51分には左CKからカルリーニョス・ジュニオがヘディングシュートを放つが、相手GKにセーブされる。
54分には2枚替えをする。カルリーニョス・ジュニオと矢島を下げ、MF乾貴士とDF北爪健吾を送り出す。乾は4月13日のいわきFC戦以来6試合ぶりの出場だ。
ここまでリーグ最少失点の横浜FCは、守備時は5バックでブロックをしく。足元から足元へのパスが多い清水の攻撃は、守備側の目線をズラす意味ではやや物足りない。それでも、クオリティを持った「個」が目の前の相手を剥がし、守備ブロックをこじ開けることで、試合の流れを強引に引き寄せることができるのが清水だ。
秋葉監督は65分にMF松崎快を送り出し、75分にはMF西澤健太とFWドウグラス・タンキを起用する。75分の2枚替えで再び4-4-2とし、乾がボランチのポジションから攻撃時に前へ出ていく。
ボールを握っているのは清水だ。横浜FC陣内での攻防が続く。しかし、決定的なシーンを作れない。横浜FCの守備を崩せないまま時間が過ぎ、後半アディショナルタイムに追加点を奪われる。0対2で終了のホイッスルを聞いたのだった。無得点ゲームは9試合ぶりだ。
試合後の秋葉監督は「横浜FCさんの背後への圧力、前からの圧力、何が何でも今日は勝つんだという気迫に気圧されたところがありました。そのなかでもやり切る、そのなかでもパワーを持ってやれるように、またやっていきたいと思います」
同日行なわれた試合で、2位のV・ファーレン長崎は鹿児島ユナイテッドFCに3対0で快勝した。これにより、勝点差は「4」に縮まった。3位のベガルタ仙台とも勝点8差となっている。
ここで連敗をしてしまうのか。それとも、再び連勝街道を突き進むのか。監督交代後は2勝1分と負けなしの水戸ホーリーホックをホームに迎える次節、清水の真価が問われる。