Jリーグが、4月度の各種受賞者を発表した。J3ではベストゴールにGKによる一撃が選ばれ、驚きと称賛の声が広がっている。
Jリーグはシーズン中、毎月選手や監督の表彰を行っている。4月度はJ1の月間MVPにジュビロ磐田のジャーメイン良が初選出され、月間優秀監督賞はセレッソ大阪の小菊昭雄監督が初受賞するなど、新鮮な風が吹いた。
だが、J3では世界的にも珍しいことが起こった。月間ベストゴールが発表されたのだが、受賞者がGKだったのだ。
栄えあるベストゴールに輝いたのは、FC今治のGK伊藤元太。第8節のAC長野パルセイロ戦で決めたゴールが選ばれた。
この試合は、今治と伊藤にとって厳しいものになった。後半12分までに2点のリードを許すと、1点を返した直後にまた突き放される。後半24分の時点で、ホームで1-3と2点差を追う展開だった。
それでも今治は諦めず、JFLを経て自身Jリーグ初挑戦となった日野友貴のゴールで追い上げる。すると、最後の最後にドラマが待っていた。
今治は1点を追う状況で、目安が4分と提示されたアディショナルタイムへと突入していた。時計は92分を回っていたが、今治はCKのチャンスを得る。この土壇場で、伊藤はゴールを離れて相手ゴール前に向かっていった。
他のフィールドプレーヤーと同じように、伊藤もポジションを取り合う。アンジェロッティが送り込んだボールは、ファーサイドへと向かった。その先では、ストライカーのように一瞬相手のマークを外しながら、ゴールへと向かう伊藤の姿があった。体を投げ出しながら頭で合わせると、同点のゴールが決まった。