■「下を向いている時間はない」
川崎に入団するまでに多くのチームを渡り歩いた瀬川祐輔にサポーターの姿について聞くと、こう言葉を発した。
「コールリーダーの方が”俺ららがついているから”と言ってくれて……。それに応えるのが僕らの仕事。チャントを歌ってくれた姿を焼き付けて、ガンバに乗り込まなければいけない。結果で返すしかない」
すでに5失点した状況でピッチに送り込まれた瀬川は、ゴールを奪うことだけを目標としていた。その気持ちは叶わなかったが、だからこそ、次のガンバ大阪戦に視線を向ける。終わった結果は変えられないが、次の試合はどうにかできるからだ。
それは、先発フル出場した山田新も同じだ。
「このままじゃいけない」
そう話すと、「ふがいない試合をしてしまったので、申し訳ない気持ちになりますけど、あんなに背中を押してくれたので、下を向いている時間はない。次に向けて準備をするしかない」と続ける。
チームによって、選手やサポーターの“カラー”がある。川崎の場合、それは共闘だ。そして、いかに前向きで次に挑めるか、そして、その気持ちで勝利を掴めるかが求められる。それが、選手を前向きにしている。
鳥栖戦後に『バラバラ』を歌うことはできなかった。しかし、“くじけない”ための『鉄のハート』を改めて確認することができた。中3日と与えられた時間は少ないが、勝利への気持ちを5月19日のG大阪戦で昇華させる。
(取材・文/中地拓也)