■チームの苦境
ご存じの通り、鹿島はジーコが在籍していたJリーグ創成期から数々のタイトルを取り続け、常勝軍団としての地位を確立してきたが、2018年ACLタイトル以降は一度も頂点に立てていない。アカデミー出身の鈴木優磨はそんな栄光と屈辱の日々を誰よりもよく理解しているはず。だからこそ、チームが苦境に立たされるたびに苦言を呈し続けてきた。
「このままじゃダメ」「まだまだ弱い」といった歯に衣着せぬ発言が出るのも、「常勝軍団を再建しなければ、栄光の歴史を築いてきた先輩たちに申し訳ない」という思いが強いからに他ならない。今こそ、そういった危機感をチーム全体に共有させ、闘志を奮い立たせるべき時なのだ。
広島を撃破して初めて首位・神戸と互角の立場で対峙できる状況になる。神戸とのホームゲームと言えば、昨年4月15日の1-5の大敗の記憶があまりにも鮮明だ。鈴木優磨にとっては鹿島の先輩に当たる大迫勇也に2点を決められ、力の差を見せつけられたこの一戦と同じ轍を踏むわけにはいかない。鹿島のエースとして大迫を上回る存在感を示すべく、ここからより凄みを増していくことが必要なのである。