今季、J3リーグの中で無敗街道を疾走する大宮アルディージャ(以降、大宮)は、同リーグの沼にハマり込んでしまった松本山雅FC(以後、松本)をホームに迎えた。
4連勝を狙って一人旅を実行しつつあった大宮を観戦しにNACKスタジアム大宮に出かけた私は、昨シーズンの崩壊した守備を再び見せられている感覚に陥った。このコラムでは、大宮の守備の何が問題だったのかを探りたい。
5月6日、明治安田J3リーグ、第13節、大宮は松本に0-2で敗れる結果になった。
サッカーは紙一重の攻防の積み重ねで勝敗が決まる。「あのシーンで得点していれば」という「たられば」を、つい言いたくなるスポーツだ。そういった意味で、大宮には前半、何度も決定的な得点シーンがあった。
前半を0-0で折り返した両チームだったが、大宮には得点チャンスが確かにあった。19分には、左ウイングバックの泉柊椰がエンドラインに入り込んでマイナスのクロスをあげる。ペナルティエリア中央に侵入してきたフォワード(以後FW)の藤井一志のヘディングシュートは、ゴールキーパーの大内一生に阻まれる。
さらに、39分には、泉が左サイドからのフリーキックを杉本健勇が頭で合わせるが、ボールはクロスバーを直撃して弾かれる。また、42分には杉本がこぼれ球を左足でシュートするが、ボールはゴールポスト脇を外れていく。