■「あのシーンで僕がボールを奪ってなかったら」
そこから大外に入っていたアンデルソン・ロペスに渡ると、横浜FMのエースは豪快なドリブルで磐田のディフェンスを引き付けて、ぽっかりと空いた中央スペースへ走り込むナム・テヒに向けてボールを入れる。しかし、反対サイドから絞ってきたブルーノ・ジョゼが、鮮やかなスライディングでボールをインターセプトしたのだ。
ブルーノは「アンデルソン・ロペス選手がボールを持った時に、真ん中に一人いるなって気づいて。あそこに来たら行こうと。インターセプトしようと、自分がイメージしていた通りに来た」と振り返る。そこから一気にジャーメイン良を走らせたロングボールはDFエドゥアルドにクリアされたが、川島のセーブにも匹敵する守備のビッグプレーだった。
「あのシーンで僕がボールを奪ってなかったら、僕たちにとっては危険な状況になっていたと思うし、そうしたものを未然に防げたところでは守備の貢献ができたかなって思います」
謙虚なキャラクターながら、自分の仕事をそう認めたブルーノ・ジョゼはブラジルから来た4人の新外国人の一人で、右サイドの仕掛け人として攻撃の中心を担うことが期待されていた。しかし、キャンプの後に怪我をしてしまい、なかなか試合に絡めなかったところから、ようやく少しずつ出番を得るようになっており、後半35分からのプレーはリーグ戦の最長時間だった。