■オリンピック世代の「A代表選手」の招集は?
難しさの3つ目は、すでにA代表に選出されているオリンピック世代の選手の扱いだ。
オリンピック世代最高のスター、久保建英は今や世界的に注目されている選手であり、A代表の主力でもある。また、オリンピック世代のGK鈴木彩艶も、最近はA代表でのファーストチョイスとなっている。
もちろん、彼らがチームに加わることで戦力はアップするし、久保自身もオリンピックに対して意欲を持っているとも伝えられている。経験の浅い鈴木にとっては、オリンピックでの戦いは貴重な経験となるだろう。
だが、今年は1月にアジアカップがあったことで、A代表の選手たちの負担が非常に大きくなっている。
アジアカップ終了後、ヨーロッパのクラブに戻った選手たちの多くが故障で欠場を余儀なくされたことは記憶に新しい。
しかも、最近は各国リーグで上位争いをするようなビッグクラブに所属する日本人選手も多く、当然、クラブでの試合数も多くなり、イングランドのプレミアリーグやUEFAチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグなど、ハイレベルの試合を数多くこなしてもいる。
彼らにこれ以上の負担を与えれば、多くの選手が負傷して出場機会を減らしてしまう怖れもある。従って、A代表の選手のオリンピック出場に関しては、A代表の森保一監督をはじめ、クラブ側、メディカルスタッフなどと連携して慎重な配慮に基づいて決めなければならないだろう。