■決定的なチャンスに「枠に飛ばない」シュート

 UAE戦の日本は「誰が出ても同じように戦える」ということを証明した。実際、数多くのチャンスを作り、得点は2点に終わったものの、クロスバーに2度、ゴールポストに1度嫌われたし、また、VARの介入で取り消されたゴールもあった。

 たしかに、それは不運ではあった。

 しかし、それ以外でも、このチームの得点源と見なされる細谷真大や佐藤恵允に決定的なチャンスが巡って来たのだが、彼らがシュートを枠に飛ばせなかった場面があったのも事実だ。

 もっと強い相手と戦うときは、チャンスの数はそれほど多くはないはず。決められるときに必ず仕留めておきたいものだ。

「誰が出ても同じように戦える」ことは、たしかに素晴らしいことだ。だが、それは「絶対のエースがいない」ということの裏返しでもある。

 フィジカル的な強さがあり、Jリーグでは相手を引きずるような持ち込み方もできる細谷などは、順調に成長すればA代表のエースとして、次のワールドカップで活躍することが期待される(そのため、森保一監督は1月のアジアカップにも招集した)。しかし、国際試合になると、なかなか実力を発揮できないのが現状だ。

 U-23アジアカップでも、細谷はたしかに前線での守備ではよく頑張ったが、「得点」という本来の仕事ではとても満足すべき活躍はできていない。

 このチームの立ち上げから攻撃の一翼を担ってきていた佐藤も、素晴らしいドリブル突破は見せるものの、中国戦の後半や韓国戦のアディショナルタイムでのチャンスのように、決めてほしいところで決めきれていない。

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