■A代表の名波浩コーチも一目置いている選手
平河の方も傑出したドリブル突破力でサイドを切り裂き、数々のチャンスを作っている。鹿島アントラーズ戦の決勝弾などは、決め手を持つ彼らしいところ。大岩ジャパンでも3月のU-23マリ戦(京都)で先制ゴールを叩き出しており、打開力と得点力の両方を兼ね備えた期待の星で、A代表の名波浩コーチも一目置いている選手と言われている。
斉藤光毅・三戸舜介のスパルタ・ロッテルダムコンビが不在の今、彼のように1対1で勝負でき、敵の守備網を個の力でこじ開けられる選手は貴重。そういうタイプが彼しかいない分、より重要性は高まってくる。この大会で異彩を放ち、パリ五輪でも輝けば、9月からの2026年北中米ワールドカップアジア最終予選でのA代表参戦も見えてくるかもしれない。そういう意味でも注目だ。
一方、旬なアタッカーという意味では、FC東京移籍で新境地を開拓した荒木遼太郎以外には考えられない。
鹿島に在籍した2021年にはJ1で2ケタゴールを達成し、A代表候補合宿にも呼ばれた男だけに、もともとポテンシャルは頭抜けていたが、2022・23年はトップ下を置かないシステムを鹿島が採用したこともあって、出番が激減。大岩ジャパンからも遠ざかっていた。しかしながら、今季を前に思い切って移籍を決断。FC東京のトップ下、あるいは最前線で本領を発揮し、瞬く間に5ゴールをゲットし、最終予選に滑り込んできた。
「自分のパフォーマンスは悪くない。もっともっとゴールに迫れる攻撃ができたらなと思っています。1つ相手のラインを越えたところでもう一段階スピードアップできれば、もっと点が取れる。そう仕向けていきたいですね」と本人も3月のU-23ウクライナ戦(北九州)で自分やるべきことが明確になったようだが、それをカタールで具現化してくれれば理想的だ。