■「監督目線でパッと先を読んだアクションが起こせない」

 選手時代はピッチ上でゴールに直結するプレーを瞬時に見せることができた中村俊輔。とはいえ、指揮官としてチーム全体を動かすことは別物。やはりハードルが高いようだ。

「準備と予測というのは選手時代と似てるけど、自分に指導者としての引き出しがないから、なかなか修正しきれない。横浜FCの試合中にも、ヨモさん(四方田修平監督)から『俊輔、どう思う?』って答えを要求された時にパッと出てこないからね(苦笑)。

 もちろん選手としての経験はあるから、選手側の気持ちとか練習の内容・雰囲気とかは分かるけど、監督目線でパッと先を読んだアクションが起こせない。指導者を初めてまだ1年ちょっとだから仕方ないけど、今は引き出しを作りながら、選手の経験をマッチさせる作業をしていきたい。そう思いながら、S級で勉強してますよ」

 世界でも名を馳せたハイレベルな選手経験を踏まえつつ、それを指導に生かし、最適解を見出すことができれば理想的。とはいえ、それを具現化することの難しさを多くの元選手が痛感している。

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