【S級ライセンス取得に挑む中村俊輔の現在地(2)】「監督としての解決策がパッと浮かばない」元代表10番が“コーチ修行中”の身で感じる難しさ……指導者の道で求めることの画像
S級講習会に参加するサッカー元日本代表・中村俊輔氏 撮影:元川悦子

 JFA公認S級ライセンス取得を目指している中村俊輔。彼が講習会の場で監督役として指導実践を行うのは今回が初めてではないという。

「(これまで取りに行っていた)A級でもやっているし、S級に入ってからも第1週目にやったからね」と本人は話していたが、自分なりのやり方でアプローチしながら、課題が見つかったら、それを修正し、新たなエッセンスを組み込む作業を続けている。そういった取り組みはある意味、選手時代と全く同じと言ってもいいかもしれない。

「今回は『浦和に対する高い位置からの守備』ってことだったけど、ここは学びの場だから、自分の原則でトライすればいい。

 例えば、前からマンツーマンでガンガン行くのも1つの考え。それで挑戦して、うまく行かなかったとしても全く問題ない。『試合2日前にボロボロと課題が出てきてよかった』という見方もできるからね。

 逆にうまくハマったとしたら、実際の試合で瞬時にそれをやれるかどうかが大事。講習会はそういう『気づきの場』なんだと思いますね」と本人は言う。今はとにかく試行錯誤を繰り返しながら、自分なりの最適解を見出そうとしているのだろう。

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