「お久しぶりです」
筆者がU―23サッカー日本代表の練習取材に初めて訪れた4月18日、暑さが厳しいトレーニング場の横の、日差しを遮って影になった部分に設けられたミックスゾーンでの高井幸大の第一声だ。身長差は30cm。見上げながら聞くその言葉は、麻生グラウンドで話を聞いているよりも高い場所から落ちてくる感覚だった。
この時点で、大岩ジャパンは中国代表を1-0で破っていた。退場者が出たことで一人少ない時間帯の方が長い試合で、高井が最終ラインの軸として相手の攻撃をはね返し続けた。そうしてアジアの舞台で掴む成長が、高井をさらに高く感じさせたのか。
筆者がカタールに飛ぶ直前の麻生で、さまざまな人から“高井によろしく”“頑張ってと伝えて”という言葉を授かっていた。そういう風に期待されていることについて聞くと、「その光栄さをかみしめながらやっていきたい」と笑顔を見せた。そして、その言葉の通りのプレーを大岩ジャパンの最終ラインで見せ続けている。
「快適に過ごせています」
カタールでの活動についてゆっくりと話す高井のテンポとは裏腹の成長を、アジアのピッチで披露している。