■後半の2失点で仙台は逆転負け

 1点リードで後半を迎えた仙台は、59分に松下と鎌田を下げてMF長澤和輝とMFオナイウ情滋を投入する。オナイウは2列目右サイドに入り、郷家がトップ下に入る。長澤はダブルボランチの一角だ。

 後半開始から決定的なシーンを作れていないなかで、オナイウのスピードと長澤のゲームコントロールで試合の流れを変える意図があったのだろう。ところが、67分に左サイドを突破され、MF谷本駿介に巧みなワンタッチシュートを決められてしまう。仙台はホーム・ユアスタで今シーズン初失点だ。

 前線からの規制が前半ほどはまらない仙台は、ボールの取りどころが定まらずに愛媛に前進を許す。交代で出場してくる相手をつかまえきれないまま時間が過ぎ、79分に逆転ゴールを決められた。

 1対2とされた直後、森山監督はエロンからFW中山仁斗へスイッチする。中山を使って前線にポイントを作り、オナイウのスピードを生かしたいのだが、アタッカー陣になかなかボールが入らない。

 森山監督は90分に郷家と中島に代えて、DF小出悠太とFW菅原龍之助を投入する。CB菅田真啓を前線へ上げ、パワープレーを仕掛ける。前線の迫力は増したものの、すかさず5バックへ切り替えた相手守備陣を崩し切れず、5分のアディショナルタイムが終了した。仙台は今シーズン初黒星を喫したのだった。

 交代カードを使って逆転し、守備の局面で集中力を切らさなかった愛媛の試合運びは、称賛されるべきである。それでも、試合後の森山監督は「自分の選手起用を含めて反省すべきところが多かった」と話し、「僕らがやるべきことができていなかった」と悔しさを口にした。

 J1昇格を目ざすのなら、連敗は許されない。次節は藤枝MYFCとのアウェイゲームだ。相手は2勝1分5敗と苦しい序盤戦を過ごしている。3位から7位へ後退した仙台にとっては、勝点3が取り切りたいゲームとなる。

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