■ボランチ問題を抱える中で

 ポポヴィッチ監督が就任した当初は10番・キャプテン・選手会長の三役を担う柴崎岳日本代表の佐野海舟というファーストセットが予想されたが、柴崎が宮崎キャンプ中のトレーニングマッチで負傷し、一昨年まで町田でポポヴィッチ監督の指導を受けた佐野も、アジアカップに招集されたことでキャンプに参加できなかった。

 それでも中盤のポリヴァレントである樋口雄太名古新太郎、21歳の舩橋佑と言った候補はいたが、ポポヴィッチ監督はFWの知念慶をボランチにコンバートすると、最初は戸惑いを見せながらも川崎で磨いた”止めて蹴る”の技術と戦術眼を発揮して、開幕戦からボランチのスタメンに定着した。

 佐野も幸か不幸か、日本代表がアジアカップの準々決勝で敗退したことにより、開幕スタメンに間に合い、樋口は右サイドハーフで名古屋との開幕戦に出場した。

 知念が欠場した第3節の町田戦で佐野は樋口と組んだが、第4節の川崎戦は知念が復帰し、リーグ戦では9年ぶりとなる歴史的な勝利を佐野と支えた。そこから日本代表に選ばれていた佐野が怪我で代表活動を辞退。チーム練習からも一時的に外れることになり、ボランチ問題に行き当たる。そこでポポヴィッチ監督が指名したのは土居だった。

PHOTO GALLERY 全ての写真を見る
  1. 1
  2. 2
  3. 3