■「いろんな可能性を考えている」
先述した松長根のデビュー然り、チャンスというものは突然にしかやって来ない。しかも、素直に目の前には訪れず、多くが“変化球”として迫ってくる。由井も、どんな形でチャンスがやってくるか分からないだけに、予想しないタイミングやポジションでの出場機会について尋ねると、「全然大丈夫です。出れるなら(どんなポジションでも)やりたいです」と即答する。「いろんな可能性を考えている」と、頼もしい答えも付け加える。
その理由は、試合に出ないと自分自身の評価が上がらないから。「試合に出て良いプレーをして評価を上げるのが当たり前だと思うんで、どのスポーツでも。練習でどれだけ良いプレーをしても、試合に出るチャンスにはなりますけど、評価そのものを上げるチャンスにはならないと思う。評価を上げるチャンスがあるので、出たら本当に頑張りたいです」と説明する。
由井には確固たる自信がある。それは沖縄キャンプの時から変わらず、「試合に出たい」と繰り返してきた。そうした強い意識を持っているからこそ、1月からチームに合流してプロ生活4か月目に入った中で成長した部分について聞くと、「人に強くボールを奪いに行くっていうのができてるかなって思います」と話す。鬼木達監督から求められていることは、ボールを奪いきる力の向上。それを胸に、トレーニングに励んできた。