■練習前日の指揮官からの話
迎えた3月30日のアビスパ福岡戦は大久保を左ウイングで今季初先発に抜擢。FWのチアゴ・サンタナ、インサイドハーフ(IH)の岩尾憲もスタメン起用し、昨季YBCルヴァンカップ決勝で敗れた宿敵を倒すべく、試合に入った。
前半から主導権を握ったのはもちろん浦和。ボール保持率は7対3でチャンスの数でも大きく上回った。しかしながら、福岡のストロングである堅守を崩しきれず、逆に新加入のイラン人FWシャハブ・ザヘディにスーパーゴールを決められてしまった。
「事故みたいな失点というか、確率の低いところから点が入ってしまった。これもサッカー」と酒井は淡々と語ったが、このままというわけにはいかない。後半はサイドに動かしながらボールをつなぐ意識を強化。酒井と渡邊凌磨の両SBも高い位置を取るようになり、攻撃が活性化された印象だった。
1つのターニングポイントとなったのが、後半14分の大久保と大畑歩夢の交代。これで渡邊を前に上げ、大畑を左SBに置くと思いきや、指揮官は大畑を前に置いた。本人も「前日練習後に監督から『サイドの前で使う』と言われてびっくりした」と話していたが、意外な形は3~4分間続き、そこで渡邊がより前への推進力を発揮。チャンスメークを見せ、試合の流れが落ち着いたことを見極めたことで、ヘグモ監督は完全に2人の前後を入れ替える決断をしたのだろう。