■日本代表の正GKとして「本当の適任者」は?

ーーでは最後の質問です。鈴木選手は、日本代表のGKとして本当に適任なのか。鈴木選手よりもスキルが高いGKはJリーグにはいますよね。たとえば、37歳の西川周作選手(浦和レッズ)や35歳の権田修一選手(清水エスパルス)は、鈴木選手よりもレベルがまだまだ上に見えるんです。年齢的なことで代表に呼ばれないのではと考えてしまうのですが、いかがでしょうか。

山野 森保一監督からすれば、大迫敬介選手(サンフレッチェ広島)を使いたかったという気持ちがあったと思うんですが、代表の直近の試合で出場した鈴木選手を使うことが妥当だと判断したんでしょう。

 じゃあ、鈴木選手で正GKは決まりなのかといえば、絶対的な存在はいないのが、今の日本代表のGK事情だと思います。だから、裏を返せば、誰にでも日本代表の正GKになれるチャンスがあります。

 私が思うところは、梅花さんも話した通り、判断基準として年齢は関係なく、健全な競争をA代表ではやるべきです。今後、必ずベテランGKの力が求められるときがくると思います。彼らを試合で起用するにしても、起用しないにしてもです。

 もちろん、若手のほうが明らかに実力が上ならば、ベテランを呼ぶ必要はありませんが、ベテランでも力がある選手ならば代表に呼んで、その中で年齢に関係なくポジションを争っていくのが本来のやり方だと考えます。

 今の代表に選ばれている、鈴木選手、大迫選手、前川黛也選手のほうが、西川選手や権田選手よりも絶対的に上だとは誰も言えません。だから、年齢に関係なく競わせないといけないし、実力があるGKならば、そうした中で必ず正GKの座をつかみ取るはずです。

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