■“高いレベルで目を揃える”要求
だからこそ、「パスが成功しているからOKではなくて、よりいいところを(見つけよう)、と。これは、たとえば“横パスが通っているけどこっちに縦パスで行けたよね”とか、“探したうえでパスを選んでるけれども、ドリブルを運べたんじゃないか”とか、そういうちょっとしたところですけど、そういうこだわりをもう1回、選手一人一人に気づいてもらうというか、そういうところは自分自身がやらなきゃいけないところだなというふうに思った」と、“高いレベルで目を揃える”要求をしたという。
「今までOKでもちょっと要求を高くするというか、質の幅を、今まではこれくらい(両手で幅を提示し)を許容してたのを、もっと密着する(両手を狭めて)というか、やっぱりここの質までこのいけないっていうのを先週ぐらいからですかね、徐々に徐々にやっています」
新たに進めるチーム作りには、当然、時間がかかる。今季は沖縄キャンプ2日目にしてミニゲームを採り入れるなど、選手が入れ替わった中でACL初戦に向けて急ピッチで組織作りを進めてきたからだ。
こだわりと誇りを持って進んできたチーム、とも語る鬼木フロンターレ。タイトルとともに目指すものは、はっきりとしている。
(取材・文/中地拓也)