■キングカズ出場で「JFL入場者新記録」を樹立

 しかし、国立競技場はその後どんどん「サッカースタジアム」の様相が濃くなる。オリンピックとパラリンピックを除くと、サッカーの試合は、先日のワールドカップ予選「日本代表対北朝鮮代表」まで、この国立競技場では56試合も行われてきた。内訳は、Jリーグ13試合、日本代表4試合、なでしこジャパン2試合、AFCチャンピオンズリーグACL)4試合、天皇杯決勝戦4試合、Jリーグ・ルヴァンカップ決勝3試合、そして、その他(高校サッカー、JFL、海外チームとJリーグクラブの親善試合など)26試合である。

 それに次ぐのは陸上競技の36大会だが、観客の入る全日本選手権クラスの大会はなく、学生の大会、東京都の大会、あるいはランニングイベントなどが多い。そして、ラグビーの使用も多くはなく、サッカーの3分の1にも満たない15試合。そのほか、アメリカンフットボールは2試合しかない。すなわち、現在の国立競技場は主に「サッカースタジアム」として使われているのである。

 Jリーグでは、J1だけでなく、J2の試合が2023年に2回行われている。さらに珍しいのがJ3の下、日本のトップリーグから数えると「4部」に当たる「JFL」の試合が、2022年と2023年に1試合ずつ開催されていることだ。いずれもホームクラブは「クリアソン新宿」。競技場(住所は新宿区)のお膝元チームである。

 2022年10月の試合の対戦は、鈴鹿ポイントゲッターズ。この年、カズ(三浦和良)が在籍して大きな話題になっていた。カズはこの日ベンチ入りし、1-0でリードした後半31分に交代で出場、ファンを喜ばせた。入場者は1万6218人。JFLの入場者新記録だった。

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