【サッカー日本代表、再出発の北朝鮮で見せた可能性(2)】前田大然が実行した“アジアでの戦い方”――国立競技場で喝采を浴びたハーフウェイラーンでの攻防が秘めるものの画像
サッカー日本代表の前田大然 撮影:中地拓也/雑誌協会代表撮影

 攻撃ではなく守備で、しかも自軍のゴール前での攻防ではなくハーフウェイライン付近でのプレーで、ファン・サポーターの喝采を浴びる選手はなかなかいない。

 日本代表が1点をリードして折り返した後半。右ウイングの堂安律によれば、北朝鮮戦代表の選手たちのプレーが、明らかに前半とは違っていたという。

「(ハーフタイムに)相手の監督に喝を入れられたからか、前半とは目の色を変えて戦ってくるようになっていたし、一気にロングボールが増えてきた」

 例えば49分。ボールを一度下げられた右サイドバックのキム・ギョンソクが、フリーの状態で前線へロングボールを放つモーションに入った刹那だった。

 センターサークル付近にいた日本の選手が、ゼロから急加速してキムとの間合いを瞬く間に詰めていく。最後は渾身のスライディングタックル。ボールを右タッチラインの外へ弾き出すと、国立競技場のスタンドから大歓声が沸き上がった。

 先のアジアカップで日本の弱点としてクローズアップされた、相手のロングボール攻撃を防ぐにはどうすればいいのか。キャプテンのMF遠藤航は「ボールの出どころに、どれだけプレッシャーをかけられるか」と試合前日に対策を語っていた。

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