サッカー日本代表が3月22日、北朝鮮代表とワールドカップ2次予選をホームで戦い、1-0で勝利した。これで2次予選3連勝となり、最終予選突破に王手をかけたが、成果と課題はどのようなものか。急転直下、26日のリターンマッチは中止になったが、その先を見据えて、今後の日本代表に必要なものについて、ベテランのサッカージャーナリスト大住良之と後藤健生が激論を交わした。
■「クリアがハッキリできない」日本の苦戦パターン
――前半途中からトーンダウンしたことで、後半の苦戦は予想通りでしたか。
大住「ずっとボールを持っていたし、チャンスもつくっていたけど、2点目を取らないと何かあるよという感じは前半からあった」
後藤「前半の40分過ぎから、北朝鮮の右サイドの20番(ペク・チョンソン)が仕掛けて、44分には抜けそうな場面があった。北朝鮮はそれまで仕掛けてこなかったけど、スピード勝負でもいけるかも、と感じたんじゃないかな。後半開始から数分間は、その20番が積極的に中に入ってきていたんだよね」
大住「相手の監督は、ハーフタイムに何を指示したのか教えてくれなかったけどね」
後藤「すぐ第2戦があるはずなんだから、それは言わないよね」
大住「問題は、後半のああいう状況を続けさせたことだと思うんだよね。たとえば、クリアがハッキリできない。ハーフウェーラインまでクリアボールが飛ばずに拾われて、また放り込まれる状況になる。日本は最終ラインを上げようとしているから、マークもズレちゃって、かえって危ない状況になっていた」
後藤「それが、この日本代表チームの苦戦のパターンだよね。無理してつなごうとしてセカンドボールを拾われちゃうというのはね」
大住「ハーフウェーライン辺りにいる上田綺世に出そうとして、結局取られて、また攻め込まれるということが何度も繰り返されたよね。前田大然や浅野拓磨のようなスピードのあるFWがCFのポジションにいたら、スペースに走って受けようとするよね。そうするほうがずっと可能性があるし、上田でもああいう状況ではそういうプレーをしないといけないと思う。出すほうも同じことを繰り返すし、上田も何度もボールを取られているんだから、反省しないといけないのに」