■圧勝したオーストラリア戦との「最大の違い」
日本が圧勝したオーストラリア戦との最大の違いは、日本のプレスがはまったかどうかだった。
オーストラリア戦では前線からのプレスがはまって相手に攻撃機会を与えず、また、高い位置で奪ってショートカウンターでチャンスを作り続けることができた。
だが、北朝鮮相手にはそのプレッシャーが効果を発揮しなかったのだ。
北朝鮮の選手たちは(オリンピック最終予選で対戦したフル代表もそうだったが)、日本の前線からのプレスをかいくぐってパスをつなぐだけのテクニックを持っていた。
日本ように、角度をつけたワンタッチパスを回すようなことはできなくても、相手のプレスをかわして、正確なロングボールを蹴る技術。ドリブルで縦に運ぶ推進力、迫力という意味では日本を上回っていた。
こうして、相手をはめこんだオーストラリア戦では快勝したの対して、そのプレッシングが効かなかった北朝鮮戦では劣勢に陥ってしまったのだ。
この点は、日本のサッカー界に共通した弱点である。プレスが効かなくなってしまった場合どうするのか。それが、大きな課題となる。
相手がしっかりパスをつないで攻めてきてくれた場合には、日本の選手たちの戦術に忠実なプレーで相手を追い込んでボールを奪って優勢に試合を進めることができる。
だが、プレスをかけてもかわされた場合、あるいは相手がアバウトなロングボールを蹴り込んできたときに危険な状況を招いてしまうのだ。
1月に行われたアジアカップに出場した日本代表が、まさにこのパターンで苦戦したことは記憶に新しい。