東京ヴェルディは16年ぶりに復帰したJ1で、4試合を終えてまだ勝利がない。U-20女子アジアカップで、3連覇していたU-20女子日本代表(ヤングなでしこ)が準優勝に終わった。結果だけ見れば残念だが、内容は誇っていいものである。両チームの「志の高いサッカー」の意味を、サッカージャーナリスト後藤健生が敬意をこめて語る。
■2分2敗で19位も「悲観する必要はない」
昨年のJ1昇格プレーオフを制して16年ぶりにJ1リーグに戻ってきた東京ヴェルディだが、第4節を終了して2分2敗で19位と成績的には低迷している。
しかし、試合内容はまったく悲観すべきものではない。
開幕戦では横浜F・マリノスと対戦して試合終盤までリードしながら、最後に逆転負け。第2節でも浦和レッズに終了間際に追いつかれてしまったし、さらに第3節でセレッソ大阪に決勝ゴールを奪われたのも、後半アディショナルタイムのことだった。
だが、冒頭でもご紹介したように、前からプレスをかけてボールを奪い、きちんとパスを動かして攻撃するというサッカーをブレずに追求し続けているのだ。新潟戦でも、前半のビッグチャンスに染野が決めていれば、あるいは後半のDFの致命的なミスがなければ、勝利していてもおかしくない試合だったし、試合内容はとても良いものだった。
「試合内容が良い」という意味では、昨シーズン、J2リーグで戦って3位に入ったときよりも良い内容の試合をしていることは、特筆されるべきだろう。
普通なら、「レベルの高いJ1リーグに昇格したら、J2リーグでできていたことができなくなってしまうのではないか」と思われるだろうが、今シーズンの東京VはJ2リーグでやっていた以上の内容の試合を実現しているのである。