■左SB山原が鮮やかドリブルシュートでダメ押し!
清水のトランジションの速さは、後半も際立つ。
大分が後半から選手を入れ替え、MF野村を左MFからトップ下へスライドさせたが、清水はダブルボランチと2列目が挟み込んでスペースを与えない。1トップの北川航也が、自陣深くまで戻ってディフェンスをする場面も見られる。前節終了後に秋葉忠宏監督が「必死になって戦うところをもう一度見直す」と話していたとおりに、清水は後半も局面でのバトルで上回っていく。
大分が60分にも3枚替えを行ない、清水の最終ラインは193センチの大分FW長沢駿と向き合うことになる。70分には相手ショートコーナーから決定的なヘッドを浴びるが、GK権田がブロックする。
守護神の奮闘に応えたのは、左SB山原怜音だ。自陣からドリブルで持ち出すとペナルティエリア手前まで単独で運び、右足を強振する。これがゴール右スミへ突き刺さった。今節のJ2ベストゴールと言っていい一撃だった。
勝利を手繰り寄せることとなった2点目のシーンでは、大分のプレッシャーを右サイドでかいくぐり、左サイドの山原へボールをつなげたビルドアップにも触れるべきだろう。自陣でボールを失うことがほとんどなかったことも、この日の戦いぶりを安定させていた。
最終盤には高橋を投入し、CBを2枚から3枚へ増やす。清水は万全の逃げ切り策で2対0のまま試合をクローズさせ、今シーズン2度目のクリーンシートを達成した。
次節からは中3日での連戦となる。秋葉監督は「総力戦になる」と言葉に力を込め「全員の力で必ず3連勝を目ざしたい」と語った。